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診断シリーズ①

脳梗塞について知ろう

更新日:2025年3月1日
発信者:プロジェクトリンクト事務局
監修者:名前(病院名・診療科・役職)

脳梗塞(のうこうそく)は、脳の血管が詰まり、血流が途絶えることで脳細胞が損傷を受ける病気です。脳卒中(脳血管障害)の中で最も多く、放置すると重篤な後遺症や生命の危険を伴うため、早期発見と迅速な治療が重要になります。発症すると、手足の麻痺や言葉が話しにくくなる、視力が低下する、意識がもうろうとするなどの症状が現れることがあります。特に、発症から4.5時間以内に適切な治療を受けることができるかどうかが、回復の鍵となります。本記事では、脳梗塞の基礎知識、初期症状やリスク、検査方法、治療の選択肢について詳しく解説します。

目次

脳梗塞とはなにか?

 

<脳梗塞とは?>

 

脳梗塞とは、脳の血管が何らかの原因で詰まり、血流が途絶えることによって、脳の組織が酸素不足になり、細胞が壊死する病気です。

● 脳梗塞の主な原因

・動脈硬化
血管が狭くなり、詰まりやすくなる。
・心房細動などの不整脈
心臓内でできた血栓が脳に飛ぶ。
高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の影響

● 脳梗塞の種類

・ラクナ梗塞
細い血管が詰まり、小さな梗塞ができる。高血圧が主な原因
・アテローム血栓性脳梗塞
動脈硬化が進行し、太い血管が詰まる。
・心原性脳塞栓症
心房細動などが原因で、心臓内の血栓が脳の血管を詰まらせる。

脳梗塞は、動脈硬化や不整脈などによって引き起こされますが、症状や原因に応じて治療方針が異なるため、正しい分類と早期診断が重要です。

<脳梗塞の初期症状とリスク>

 

脳梗塞は発症後の時間の経過とともに脳へのダメージが進みます。初期症状にいち早く気づくとともに、リスク因子を知ることで日常生活の中で予防に取り組みましょう。

● 主な初期症状

脳梗塞は、発症から時間が経つほど症状が悪化するため、早期発見が重要です。
・顔の麻痺
片側の口角が下がる、笑顔がゆがむ。
・手足の麻痺
片側の手足に力が入らない、しびれる。
・言葉の障害
言葉が出にくい、ろれつが回らない。
・視覚の異常
片目が見えにくい、視野が欠ける。
・めまい、ふらつき
突然バランスが取れなくなる。
・意識障害
ぼんやりする、意識がもうろうとする。
特に「FAST」のサイン(顔・腕・言葉・時間)を確認することが重要です。
・F(Face: 顔)
片側の顔が垂れ下がる。
・A(Arm: 腕)
片方の腕が上がらない。
・S(Speech: 言葉)
話し方がおかしい。
・T(Time: 時間)
すぐに救急車を呼ぶ(発症後4.5時間以内が治療の鍵)。

● 脳梗塞のリスク要因

脳梗塞は以下のような生活習慣や病気によって引き起こされます。
・高血圧
血管が傷みやすくなり、血流が滞りやすくなる。
・糖尿病
動脈硬化を進行させ、血管が詰まりやすくなる。
・心房細動(不整脈)
心臓内で血栓ができやすく、脳の血管を詰まらせる。
・脂質異常症
動脈硬化を引き起こし、血管が狭くなる。
・喫煙
血管を収縮させ、動脈硬化を悪化させる。

顔や手足の麻痺、言語障害などの初期症状が現れた場合は、見逃さずにすぐに救急車を呼びましょう。特に高血圧や不整脈などの基礎疾患がある方は注意が必要です。

脳梗塞の治療について

 

<検査と専門診断>

 

診断には、頭部CTやMRIなどの画像検査が重要です。出血の有無や血管の閉塞状態を把握することで、適切な治療方針を早期に決定でき、後遺症を軽減する可能性が高まります。
・頭部CT(コンピューター断層撮影)
出血と梗塞の有無を確認する。発症直後は梗塞が映らないこともある。
・頭部MRI(磁気共鳴画像)
脳の細かい血管の詰まりや、梗塞の範囲を詳しく調べる。
・MRA(磁気共鳴血管造影)
血管の状態を詳細に確認し、閉塞部位を特定する。
・頸動脈エコー
動脈硬化の進行度を確認する。
・心エコー
心房細動などによる血栓の有無を調べる。

これらの検査によって、病態を的確に把握することができます。診断の精度が治療の効果に直結するため、迅速で総合的な検査が求められます。

<治療の選択肢>

 

脳梗塞の治療は発症時間と重症度に応じて異なります。治療には、急性期のt-PA治療(血栓溶解療法)やカテーテル治療に加え、再発を防ぐための薬物療法や生活習慣の改善などがあります。

● 超急性期治療

・t-PA(血栓溶解療法)
詰まった血管を溶かす薬を静脈注射する治療で、発症から4.5時間以内に治療を受けることが必要である。
・血管内治療(カテーテル治療)
カテーテルを使い、血栓を直接取り除く手術で、t-PAが適用できない場合でも、発症から6〜24時間以内なら実施可能である​​。

● 慢性期・再発予防

・抗血小板薬・抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)
アスピリン、クロピドグレル、ワルファリン、DOACなどを服用する。
・血圧、血糖、脂質の管理
減塩食、運動療法、内服薬を継続する。
・生活習慣の改善
禁煙、適度な運動、ストレス管理を行う。

発症直後の対応によって回復の可能性が大きく変わるのが脳梗塞の特徴です。再発を防ぎ、後遺症を最小限に抑えるためには、継続的な治療と生活習慣の見直しを行いましょう。

まとめ

監修者プロフィール

名前

診療科・役職

●職種・資格

医学博士
日本脳神経外科学会 指導医
近畿脳神経外科学会 評議員
日本脳卒中学会 指導医

●メッセージ

脳神経外科ではありますが、全例手術を行うのではなく、状態、症状に対して、確実かつ適切な治療を行います。また、外来診療のみでなく、救急でも即座に対応できるような体制をとっています。

よくある質問


 脳梗塞の初期症状には、以下のようなものがあります。
●  顔のゆがみ(片側の顔が垂れ下がる)
●  片側の手足のしびれや脱力
●  言葉がうまく話せない、理解しにくい。
●  視野の欠損や片目の視力低下
●  激しいめまいやふらつき

これらの症状が突然現れた場合は、すぐに救急車を呼び、医療機関を受診してください。


 脳梗塞の治療は「時間との勝負」です。発症後4.5時間以内であれば、t-PA治療という血栓を溶かす薬の治療が可能な場合があります。また、発症から6〜24時間以内であれば、カテーテルを使って血栓を取り除く治療(血管内治療)ができる可能性があります。したがって、症状が出たらできるだけ早く救急車を呼び、専門の医療機関に搬送されることが重要です。


脳梗塞を予防するには、以下のような生活習慣の改善が重要です。
●  高血圧を管理する(減塩を意識し、適切な血圧を維持)。
●  糖尿病を予防・管理する(血糖値のコントロール)。
●  脂質異常症を改善する(悪玉コレステロールを減らす)。
●  定期的に運動をする(ウォーキングや軽いジョギング)。
●  禁煙する(喫煙は動脈硬化を進める)。
●  十分な水分を摂る(脱水を防ぎ、血液を固まりにくくする)。

これらの対策を日常的に実践することで、脳梗塞の発症リスクを大幅に下げることができます。

● 脳梗塞 

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