制度シリーズ③
更新日:2025年3月1日
発信者:社会医療法人ペガサス 馬場記念病院
監修者:名前(診療科・役職)
社会福祉の制度には、病気や障がいを抱える患者さまやそのご家族を支援するさまざまな仕組みがあります。これらの制度は、経済的負担を軽減し、適切な医療や介護を受けるための重要なサポートとなります。しかし、多くの方にとって「どの制度が利用できるのか」「申請方法はどうすればよいのか」などが分かりづらい場合があります。本記事では、社会福祉制度の基本的な概念から具体的な支援制度の種類、さらに利用の流れまで詳しく解説します。
社会福祉とは、すべての人が健康で安心して生活できるように、国や自治体が提供する支援制度の総称です。特に、病気や障がいを抱える方々、またそのご家族に向けた支援は、医療・介護・生活の面でさまざまな制度が整備されています。
社会福祉制度の目的は、以下のような支援を通じて生活の質を向上させることです。
・経済的負担の軽減
医療費助成、生活支援
・介護・リハビリテーションなどの支援
訪問介護、福祉施設の利用
・社会参加の促進
障害者雇用支援、教育機会の提供
こうした支援を適切に活用することで、患者さまやご家族の負担を軽減し、よりよい生活を送ることができます。
社会福祉制度には多くの種類があり、それぞれに異なる目的や支援内容があります。自分に合った制度を選ぶことが重要です。
病気や障がいを抱える方が、必要な医療を受けるための経済的支援を行う制度
・高額療養費制度
医療費が一定額を超えた場合に、自己負担額を軽減する制度
・小児慢性特定疾病助成制度
18歳未満の子どもが特定の慢性疾患を抱えている場合に医療費の一部を助成
・特定疾患治療研究事業
指定難病の患者さまの医療費を助成
介護が必要な方や障がいを持つ方が、日常生活を送るうえで必要な支援を受けられる制度です。
・訪問介護サービス
ご自宅での生活支援のためにヘルパーを派遣
・デイサービス・ショートステイ
施設での介護・リハビリテーションの提供
・障害者支援サービス
障がい者向けの移動支援・就労支援
病気や障がいを抱える方の生活基盤を支えるための制度です。
・生活保護制度
生活が困難な場合に生活費や医療費を支援
・障害年金
障がいにより働けない方への年金給付
・住宅支援
バリアフリー改修費助成、住宅手当など
これらの制度を適切に活用することで、経済的・身体的な負担を減らし、必要な医療や介護を受けることが可能になります。
支援制度は、「制度・要件の確認」→「必要書類の準備」→「申請」→「審査・認定」→「開始」の流れを踏みます。
支援制度を利用するためには、まずどの制度が自分に適用されるのかを確認する必要があります。
病院や自治体の窓口には、患者さま向けの相談員(ソーシャルワーカー)が在籍している場合があります。まずは相談し、どの制度が利用できるか確認しましょう。
各自治体では、支援制度に関する情報を公開しています。自治体のホームページや窓口でパンフレットを入手し、ご自分に合った制度を探すことができます。
難病患者会や障がい者支援団体などでは、専門的な支援を受けることができます。制度の詳細や申請方法についてアドバイスを受けることも可能です。
困ったときに頼れる相談先を知っておくことで、制度の選び方や申請手続きについても迷わずに対応することができます。
申請にはいくつかの書類や準備が必要です。必要な情報を早めに確認し、スムーズに手続きを進められるように備えましょう。
・本人確認書類
マイナンバーカード、運転免許証など
・医師の診断書や意見書
各支援制度に応じた書類が必要
・収入証明書
課税証明書、源泉徴収票など
・申請書類
各自治体や制度ごとに異なる指定の申請書
・障害者手帳
障害福祉サービス利用時
・健康保険証
医療費助成制度利用時
・介護保険証
介護サービス利用時
申請する制度によって必要な書類が異なるため、事前に申請窓口で確認し、期限内に提出するようにしましょう。
社会福祉制度は、患者さまやそのご家族が医療や生活の負担を軽減し、安心して暮らせるよう支援する大切な仕組みです。支援制度には、医療費助成、介護・福祉サービス、生活支援制度などがあり、適切な制度を選んで活用することが重要です。制度を利用するためには、まずどの支援が適用されるかを確認し、必要な書類を準備して申請を行う必要があります。困ったときには、病院のソーシャルワーカーや自治体の福祉窓口、支援団体を活用しながら、適切なサポートを受けましょう。支援制度をうまく活用することで、安心して生活を続けることができます。ご自身やご家族が必要な支援を受けるための一歩として、まずは情報収集から始めてみましょう。
監修者プロフィール
診療科・役職
●職種・資格
医学博士
日本脳神経外科学会 指導医
近畿脳神経外科学会 評議員
日本脳卒中学会 指導医
●メッセージ
脳神経外科ではありますが、全例手術を行うのではなく、状態、症状に対して、確実かつ適切な治療を行います。また、外来診療のみでなく、救急でも即座に対応できるような体制をとっています。
障害年金を受給しながら就労することは可能です。ただし、就労による収入が一定額を超えると、障害年金の受給額が減額されたり、支給が停止される可能性があります。また、障害の状態によっては年金の等級が見直されることもあります。
就労を考えている場合は、事前に年金事務所や障害者就労支援センターなどで相談することをおすすめします。
申請する制度によって異なりますが、1か月~3か月程度かかることが一般的です。
● 高額療養費制度
申請後 約2~3か月で払い戻し
● 障害者手帳(障害福祉サービス利用時)
申請から 1~2か月
● 障害年金
申請から 3か月以上(審査期間含む)
● 生活保護
申請から 2週間~1か月
申請書類の不備があるとさらに時間がかかるため、事前に申請窓口で必要書類を確認し、早めに手続きを進めることが重要です。
再申請は可能です。申請が却下された場合は、理由を確認し、不足している書類を補ったうえで再申請 することができます。
● 障害年金
診断書の内容が不十分だった場合、医師と相談して再提出
● 介護保険の要介護認定
認定結果に納得できない場合、異議申し立て(不服申し立て)を行う。
● 生活保護
収入や資産の状況が変わった場合、再度申請が可能
制度によって異議申し立ての期限があるため、却下通知を受けたら早めに対応しましょう。
● あなたの不安に寄り添います
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