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療養管理シリーズ①

脳梗塞の療養管理について知ろう

更新日:2025年3月1日
発信者:プロジェクトリンクト事務局
監修者:名前(病院名・診療科・役職)

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、血流が遮断されることで発症する疾患です。一度発症すると、再発のリスクが高まり、後遺症が残ることが多いため、適切な療養管理が必要です。
療養管理の目的は、再発予防、後遺症の進行防止、生活の質(QOL)の向上です。そのために、血圧や血糖値の管理、生活習慣の見直し、リハビリテーションの継続、家族のサポートが重要になります。本記事では、脳梗塞の療養管理の目的と基本、具体的な進め方、ご家族の役割について詳しく解説します。

目次

脳梗塞の療養管理とは

 

<脳梗塞の療養管理の目的>

 

脳梗塞は再発しやすく、後遺症も残りやすいため、療養生活においては病状の安定と再発予防を目的とした継続的な管理が求められます。

● 再発予防

脳梗塞を発症した人は、再発リスクが高いため、血圧や血糖値の管理が必須である。適切な食事・運動・服薬管理を行うことで、再発を防ぐことができる。

● 後遺症の進行防止

運動機能障害、嚥下障害、認知機能障害などの後遺症が悪化しないように、継続的なリハビリテーションが必要である。

● 生活の質(QOL)の向上

患者さまが自立した生活を送れるよう、日常生活の工夫や家族の支援が重要である。

脳梗塞の療養管理は再発を防ぐだけでなく、後遺症の悪化を抑え、自立した生活を送るために不可欠です。特に、医療的な管理と生活支援を両立させることが重要です。

<脳梗塞の療養管理の基本>

 

脳梗塞の再発を防ぎ、後遺症の進行を抑えるために、日々の生活に密接した5つの項目を継続して管理しましょう。

● 血圧管理

高血圧は脳梗塞再発の最大のリスク要因なので、140/90mmHg未満を目標に管理する。

● 血糖・脂質管理

糖尿病や脂質異常症の管理が必要。HbA1c 7.0%未満、LDLコレステロール120mg/dL未満を目指す。

● 食事管理

減塩(1日6g未満)、低脂肪・高食物繊維の食事を取り入れ、野菜・魚中心のバランスの取れた食事を心がける。

● 運動管理

週3〜5回の軽い運動(30分程度のウォーキングなど)を行い、過度な運動は避ける。

● 服薬管理

抗血小板薬・降圧薬・脂質異常症治療薬を医師の指示通り服用し、飲み忘れを防ぐ工夫をする。

血圧・血糖・食事・運動・服薬といった基本的な生活習慣の管理を続けることで、再発のリスクを大きく下げることができ、健康維持につながります。

脳梗塞の療養管理の進め方

 

<療養管理の流れ>

 

脳梗塞の療養管理は、急性期・回復期・生活期の3つの段階に分けて行われます。

● 急性期(発症~数週間)

・血圧・血糖値の厳格な管理(急激な変動を防ぐ)
・脳梗塞の進行防止(血栓溶解療法t-PA、抗血小板薬の投与)
・ベッド上でのリハビリテーションの開始(関節可動域訓練、寝たきり防止)

● 回復期(発症後1~6ヶ月)

・本格的なリハビリテーション開始(歩行訓練、言語訓練など)
・食事療法の実践(減塩・低脂質・低糖質の食事を継続)
・服薬管理の徹底(飲み忘れがないよう家族と連携)

● 生活期(6ヶ月以降)

・定期的な通院(2~3ヶ月に1回)(血圧・血糖・コレステロールのチェック)
・家庭内での安全対策(転倒予防、バリアフリー化)
・継続的なリハビリテーション(デイケア・訪問リハビリテーションの活用)

このように、それぞれの段階に応じた適切な療養とリハビリテーションを実践することで、脳梗塞後の心身の機能維持と生活の安定を図ることができます。

<家族の役割>

 

脳梗塞の療養生活を支えるうえで、ご家族の存在は欠かせません。生活環境の整備から精神的な支えまで、さまざまな面での関わりが患者さまの安心と自立を後押しします。

● 生活環境の整備

・手すりの設置、段差の解消(転倒防止)
・車椅子や杖の適切な使用をサポート
・バリアフリー化(玄関・トイレ・浴室の安全確保)

● 食事のサポート

・薄味でバランスの良い食事を作る(和食中心)。
・食事の形態を調整する(咀嚼・嚥下障害がある場合)。
・栄養士や医師と相談しながら食事内容を決める。

● 服薬管理

・薬の飲み忘れを防ぐ(服薬カレンダーやアラームの活用)。
・副作用や効果を確認し、必要なら医師と相談する。

● リハビリテーションの支援

・毎日の生活の中で体を動かす習慣を作る(散歩、ストレッチ)。
・一緒にリハビリテーションを行い、励ますことでモチベーションを維持
・訪問リハビリテーションやデイケアを活用する。

● 精神的な支援

・患者さまが自信を持てるよう励ます(「少しずつ良くなってるね」と声をかける)。
・焦らせない、無理をさせない(できることを尊重する)。
・介護者自身の負担を軽減するため、レスパイトケアを活用する(家族の休息も大切)。

ご家族による支援は、患者さまの療養生活における安心感や意欲につながります。無理なく続けられる関わり方を見つけることで、ご家庭全体で支えるようにしましょう。

まとめ

監修者プロフィール

名前

診療科・役職

●職種・資格

医学博士
日本脳神経外科学会 指導医
近畿脳神経外科学会 評議員
日本脳卒中学会 指導医

●メッセージ

脳神経外科ではありますが、全例手術を行うのではなく、状態、症状に対して、確実かつ適切な治療を行います。また、外来診療のみでなく、救急でも即座に対応できるような体制をとっています。

よくある質問


脳梗塞後、自宅で生活する際は、以下の点に注意が必要です。
<再発予防のための生活管理>
● 血圧管理(塩分控えめの食事、適度な運動)
● 水分補給(脱水を防ぐことで血栓を防止)
● 禁煙・節酒(血管への負担を減らす)
<転倒・ケガの予防>
● 段差をなくす、手すりをつける(自宅内での安全対策)
● 滑りにくい靴を履く
<リハビリテーションの継続>
● 自宅でのリハビリテーションを継続し、筋力低下を防ぐ
● 外出や軽い運動を意識する

医師やリハビリテーション専門職と相談しながら、安全に生活できる環境を整えることが大切です。


脳梗塞の再発予防には、薬を正しく飲むことが最も重要です。
● 飲み忘れを防ぐ
決まった時間に飲む習慣をつける。
● 抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)を自己判断で中止しない
● 副作用に注意する
出血しやすくなる薬があるため、異常があればすぐ医師に相談する。
● 薬の管理をしやすくする
ピルケースを使う、家族と共有するなどの工夫をする。

服薬を適切に続けることで、脳梗塞の再発を防ぎ、健康を維持できます。


脳梗塞後は、転倒や合併症を防ぐための生活環境の整備が必要です。
● 床や廊下に物を置かない(転倒予防)
● 手すりを設置する(トイレや階段に設置すると安心)
● 椅子やベッドの高さを調整する(立ち座りしやすくする)
● 滑りにくい靴やスリッパを使用する
● 体位を変える工夫をする(寝たきりの場合は床ずれ防止のためにクッションを活用)

安全な環境を整えることで、自宅での生活を快適に過ごすことができます。

● 脳梗塞の療養管理

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